工夫と小細工

こんにちは

今回は教える側の話です

今まで多くの講師たちを見てきましたが

「小細工」を「工夫」ととらえている講師が多いと感じます

ここははっきりと線引きしましょうというのが今回の話です

内容が薄いのを誤魔化すように取り繕ったのが小細工

小細工は、それを全て取り払うと、薄っぺらいものだけが残ります

一方で、アイデアや授業(指導)をより良くするのが工夫

つまり、どちらも目を引くパフォーマンスをみせることが出来るとして

内容が薄いのが小細工で内容を濃くするものを工夫と言います

ここで問題なのが…

授業を受けている子供たちは区別できないことが多い

②両方とも魅力的に見えるので講師間でもわからない人はわからない

③講師にとっては小細工を工夫と思っている場合もあるので、率直には注意できない

 もしくは注意しても理解されない場合がある

なので…パフォーマンスだけで結果が出ない講師が支持されることはよくあります

(見分けがつくようになると結果が出る授業・出ない授業が分かる用になるのですが…)

授業に効果や結果を多くもたらすには工夫を多く取り入れましょう

ちょっとふみ込みます

それぞれの例をあげていきます(やってる方すみません)

≪小細工の例≫

11✕35=385ですが、これは3と5を両端にかいて、

真ん中に3+5=8を書けば簡単にできます

11✕42=462のように簡単にできます

「おお~!」「なるほど」と思いますよね

しかし、これには大きく3つの欠陥があります

  1.  11✕(2桁の数)でしか通用しない
  2.  11にかける2桁の数の各位の数の和が9以下じゃないと通用しない
  3.  この場合の計算に出会う機会が少ない

以上を踏まえた危険性・リスクを提示します

①限られた条件下でしか適用できないにもかかわらず、習得するには数回の練習が必要

②計算力がある人にとっては暗算でやるのと所要時間はかわらない

③限られた条件に気づかなく、習得してもいつもの計算でやってしまう

④限られた条件を判別できない子がいる

⑤条件を頭の中で確認しているなら普通に計算した方が早い

⑥簡単にできることで計算力を維持できない(微々たるものですが計算も回数が多いほど正確になります)

つまり…

勉強が得意な子▶少しの練習で習得できるが、もともと暗算も同じくらいに早いため

        また、この条件外の計算の方が多いため使用しない→必要ない

勉強が苦手な子▶習得に時間がかかり、条件の見分けの練習も必要なため思った以上に習得に時間がかかり、

        また、遭遇する頻度も低いため他の勉強をした方が効率的→必要ない

ということになります

ただし、授業時間を割いてまでやる必要がないという事で、趣味や豆知識の範囲であれば楽しいものです

生徒を引き付けるために授業時間の前や休み時間に手品みたいな感じで披露するのは効果がありそうです

授業時間にやるのは「生徒は喜ぶが、結果・効果を考えると時間と脳の容量の無駄」です

≪工夫の例≫

実際に行っている例でお話しさせていただきます

連立方程式の計算方法の習得の授業で、学校では習っていなく、初見という条件下です

また、生徒は1次方程式、計算はできるものとします。

このような問題を初見の1問目で解説します。

通常、分数の混じった連立方程式は計算問題の応用として3~4番目に学習する内容です

①1次方程式は終了しているので、分数を払う事は全員できます

②次に係数をそろえるのですが、ここが連立方程式の考え方なので詳しく解説し、

答え(XもYも求めることなど)をだします

③同じような分数や小数を含む問題を4~5問程度練習します

ここまでの説明・演習・解答でおよそ1時間くらいかかります

実際には順を踏まえて簡単な問題からやり始めると思いますが、その場合に数時間かかるのに対し、

このあたりからやるとたった1回の授業で連立のほとんどの計算ができるようになります

問題演習のテキストやプリントをやると最初の計算演習のページはこの問題よりかなり簡単です

生徒にとっては「連立って簡単だな」と、できることを実感します

しかし、順を踏まえて簡単な問題からやると、この問題にたどり着くまでに順調にいって授業3時間分くらいかかり

ます。しかも生徒にとっては「だんだん難しくなってきた」と感じてやる気を失います

やり始めるところを変えるだけで

時間の短縮 その後の学習する応用問題にかける時間を大幅に増やせる

計算力がつく 簡単だと感じているため、複雑な計算もさして難しいと思わずにできる

やる気の持続 できる実感が維持できる

というように非常に大きいメリットが出るわけです

「たったそれだけで」「誰でも思いつく」と思う方もいると思いますが、

実際にそのようにやられている方は少ないと思います

これがちょっとしたことではありますが「工夫」です

工夫の一環として有能なものもありますが「裏技」とか「簡単な解き方」と言われるものには

無駄なものや小細工が多いです

結果が出る授業をするには、時間をかけて考えて工夫をとりいれてみてください

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

 塾講師のJTです。
 大学卒業後に学習塾を起業。学生時代を含め、約25年間生徒の指導を行ってきました。
 生徒数0人、所持金0円から塾を開始し、初期は「成績を上げて結果が出ないと生活ができない」状態だったため、成績の向上に日々向き合い、たくさんの方に多大なご迷惑をおかけし、ご協力をいただき、貴重な経験を得させてもらうことが出来ました。
 これからは若い世代の活躍の時期だと思うので、生徒も講師も活用できる知識や経験をできる限り残していこうと思います。
 若い世代の力になれればうれしく思います。

コメント

コメントする

投稿一覧